
はじめに
小規模事業者持続化補助金は、中小企業や個人事業主が経営の安定や成長を図るための重要な支援制度です。本記事では、この補助金の概要や申請のポイントを説明するとともに、実際の採択事例や不採択となった原因についても触れていきます。また、他の補助金との違いを理解することで、自社に最適な補助金を見極められるよう解説します。
小規模事業者持続化補助金の概要
小規模事業者持続化補助金は、全国商工会議所または商工会が実施する、中小規模の事業者向けの支援制度です。この補助金は、事業の持続性や競争力を高めるための取り組みに必要な費用の一部を補助するもので、以下のような特徴があります。
◇補助上限:
【通常枠】50万円
【賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠】200万円
◇補助率:2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せ(詳細は公募要領に記載)。
◇対象経費:機械装置等、広告費、ウェブサイト関連費、展示会当出店費(オンライン含む)、旅費、新商品開発費、
資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費
など。
この補助金の魅力は、具体的な事業計画を策定するプロセスが、結果的に事業者の経営改善につながる点です。商工会議所等のアドバイスを受けながら計画を練ることで、今後の経営に役立つスキルや視点も得られます。
実際に採択された事例
成功事例1:地域密着型カフェの広告戦略強化
とある地方都市で運営されるカフェが、小規模事業者持続化補助金を活用し、地元住民向けの広告戦略を強化した事例です。このカフェでは、SNS運用が弱かったため、プロのマーケティング会社に依頼して広告キャンペーンを展開しました。結果として来店数が20%増加し、地域の新規顧客層を獲得することに成功しました。
ポイント
•地元の課題(知名度の低さ)を具体的に分析。
•費用対効果をしっかり明記した事業計画書を提出。
•商工会のアドバイスを活用し、計画の実現可能性を高めた。
成功事例2:伝統工芸品販売のオンライン展開
老舗の伝統工芸品製造業者が、コロナ禍で店舗販売が減少したため、補助金を利用してECサイトを構築しました。補助金を活用したオンライン広告と組み合わせたプロモーションにより、売上を前年比150%まで回復させました。
ポイント
•オンライン展開という具体的な課題解決策を提示。
•補助金の効果を数値で示せる見込みを計画書に明記。
•地域産業の振興にも寄与する点が評価された。
不採択となった事例とその原因
失敗事例1:具体性に欠ける事業計画
ある美容室が「店舗改装」を理由に補助金を申請しましたが、不採択となりました。その理由は、計画内容が「店内をおしゃれにする」など、具体性や実現可能性に欠けていたことです。計画書には改装後の売上向上の根拠や、具体的な改装内容の説明が不十分でした。
教訓
•事業計画には具体的な施策や効果を記載する必要がある。
•補助金を受けることで達成できる目標を数値で示すことが重要。
失敗事例2:補助金の趣旨と合わない計画
別の事例では、小売業者が「店舗従業員の給与増額」を目的に補助金を申請しました。しかし、補助金の対象外経費(人件費)を含む内容だったため、不採択となりました。
教訓
•補助金の対象経費を正しく理解することが必須。
•商工会議所や行政書士に相談し、計画書をブラッシュアップすることが大切。
他の補助金との違い
IT導入補助金との違い
IT導入補助金は、ITツールを導入する際の費用を支援する制度で、小規模事業者持続化補助金よりもIT関連経費に特化しています。一方、小規模事業者持続化補助金は幅広い経費(広告費や設備費など)が対象であるため、事業内容に応じて選択する必要があります。
ものづくり補助金との違い
ものづくり補助金は、革新的な製品開発や設備投資を支援するもので、より大規模なプロジェクト向けです。小規模事業者持続化補助金は、規模が小さい事業の成長をサポートする点で使いやすい補助金と言えます。
補助金申請成功のためのポイント
1.具体的な事業計画を作成する
•誰が、何を、どのように実施し、その結果どうなるかを明確に記載。
•定量的な目標設定が採択率向上につながる。
2.商工会議所や行政書士を活用する
•専門家のアドバイスを受けることで、計画書の精度を高められる。
•事前相談を有効活用する。
3.過去の採択事例を研究する
•成功した事例を参考に、自社の強みや課題を整理。
おわりに
小規模事業者持続化補助金は、経営改善や新たなチャレンジを支援するための非常に有用な制度です。ただし、申請には十分な準備と計画が必要です。成功事例や失敗事例を参考にしつつ、的確な事業計画を立てることが重要です。行政書士として、補助金申請に関する相談も随時承っておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
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